あなたは今幸せですか?

「あなたは今幸せですか?」

 

ある機関で世界14カ国の若者を対象に調査を行ったところ、14カ国の平均それぞれ43%(16~34歳)、57%(8~15歳)に対して、日本は最下位、8%(16~34歳)、13%(8~15歳)という飛びぬけて低い数字を示したといいます。戦後、驚異的な復興を成し遂げ、経済大国としての地位をゆるぎなくした我が国の多くの若者は今、まるでその生きる意義や価値を見失ったかのように見えています。 多くの大人たちは若者たちの置かれている現状を憂いを込めて語りますが、その問題の原因を外に探ろうとしている限り本質を見つめることは決してできないでしょう。

 

日本では、赤字国債は財政法で原則として発行できないため、歳入欠陥が生じたときは、毎年特例法を制定して発行しています。1984年度までは、10年間の償還期間を守って全額返還されていました。しかし1985年の特例法から、赤字国債は60年償還になり、他国にも例を見ないその決定後、借り換えで残高が膨張し続けています。国民には住宅ローンを35年で返済することを条件付けながら、自分たちは借金を返済せず、次世代に先送りしている指導者たちの責任は大きいとは思いませんか?前述の調査の結果が「失われた20年」さらに「先が見えない未来への不安感、不全感」に覆い尽くされた「うつ」の時代を生きる親、その親を思う子たちの実感を客観的に示していることを理解している大人は少ないのではないでしょうか。

 

総人口70万人足らずのアジアの小国ブータンでは、国王が提唱し、政府は国民総幸福量の増加を政策の中心としています。国民総幸福量( Gross National Happiness, GNH)は「国民全体の幸福度」を示す”尺度”であり、国民総生産(Gross National Product, GNP) で示されるような、金銭的・物質的豊かさを目指すのではなく、精神的な豊かさ、つまり幸福を目指すべきだとする考えから生まれたものです。幸福という一見非常に主観的に聞こえる概念を国の政策に取り込むことを疑問視する多くの先進国学識者たちを尻目に「国民総幸福量」というヴィジョン達成のために、ブータン王国は官民一体となって本気で取り組んでいます。ブータンの多くの人々にとって、幸せについて自発的に考えることが精神的豊かさへの感性を高める手段となっているようです。国民総幸福量には4つの主要な柱があるとされています。持続可能で公平な社会経済開発、自然環境の保護、有形、無形文化財の保護、そして良い統治です。経済成長は幸せを求めるために必要な数多い手段のうちのひとつでしかない。ブータン人の多くが信奉しているチベット仏教は、金銭や物質に対する欲望を克服するように説いています。

 

日本人は物質的な豊かさをある意味謳歌してきましたが、今、その万全感の喪失を味わっています。与えられた体験を通して執着を手放していくことが意識の成長過程であり、精神的により成長した人になり、全ては相互に依存しあっていることの自覚のうえにエゴ(自我の肥大)を脱し利他の精神を発揮することが望まれているとは思いませんか?

 

ブータンの人々が高く保っている精神性を今、私たちの多くは忘れてしまっているかのように見えますが、利他の精神(全ての生きとし生けるものに対する思いやりと親愛の情)は、魂の故郷を同じくするアジアの人々が本来共通して発揮できる精神性であり、真性です。

 

地球意識・宇宙意識に立つ私たち、ちいさなひとり一人は、人間総幸福量(Gross Human Happiness,GHH)を家庭を治める政策に掲げて暮らしましょう。

難しいようで単純なことです。まずは、自分が健康で笑いを絶やさぬこと、そして、身近な家族が平和で幸せに日々の生活を過ごせるように努力することです。子どもたちは、経済的な豊かさを幸福の尺度とせず、貧しくとも今日一日を心豊かに暮らす家族の背中を見て育つのですから。