ストレス反応パターンへの理解とはぐくみ

幼い子どもにとって家族(特に親)は、自分の生存のために重要な目的であり手段です。

 

その重要さゆえ、ときには他の家族にとって記憶に残るほどでもない家庭内のある出来事が、幼い子どもにとって否定的なストレス反応パターンを伴う記憶となってしまうことがあります。

 

その場合、出来事の記憶は、脳の海馬に個々の人間の原始的生存競争に役立つ情報として貯蔵されています。後の場面において、ある刺激から、その人の生存のために必要な情報として、自動的に当時の否定的情動が蘇ることがあります。またコルチゾールや、アドレナリンの分泌といった神経ホルモンに影響され、たちまち体の筋肉組織を弱くし、消耗と生理的機能障害がおこり、生存を重視した免疫システムに変わります。よく言う「へびににらまれた蛙」状態になるのです。 本人の自覚がなくても突如これらの反応がおきてしまうことから、それに続くさまざまな弊害が現象化します。

 

何より大切なのは、本人の認知です。

 

重要なのは、動物的反応よりはかなり知的レベルの高いその人の知能が、感情を修正する機会を与えられる前にストレス反応がおきてしまうことを理解することです。 

 

ストレスホルモンの分泌は通常30分程度ですので、それは一時的な「生き残りのための動物的反応」であって、やがて回復するものであることを知り、回復を待つことです。

やがて体は、次の刺激反応周期に備えて再びバランスを保ち、回復します。

 

一歩外に出れば、うつ社会といわれ、ストレスの多い環境で生活する機会が増している私たちにとって、自分と家族のストレス・マネジメントは欠かせない要素です。不幸にして既に幾つかのストレス反応パターンが出来上がってしまっている人にとっては、真剣な回復への取り組みが必要となります。

うつ病といわれる状態に陥る人の数が急増している現状は、家庭や社会の鏡と言えますし、病気としてでる症状は、必要があっておきているのだと言えます。 以前にも書いたとおり、私たち戦後世代以降の日本人は総じて第二次世界大戦の敗戦トラウマを遺伝的に継承しているわけですから、その視点からストレス反応パターン発生の必然性と現状の考察は欠かせないものだと思います。

 

生き残りのための緊急システムが優位に働きつづけるような危機的な状況をこれ以上社会に蔓延させないためにも、まず家庭において、家族の安全をはぐくむ親性が大切です。

 

ストレス反応パターンを理解し、幼い子どもがストレス記憶を発生し易い立場にあることを理解し、自分や家族にその反応パターンが当てはまることがあれば、回復のために、愛し、はぐくむ力を尽くしましょう。